ドライマウスの治療、対処法について

ドライマウスは原因により対処法が異なるため、治療においては診断がポイントになります。糖尿病や薬の副作用など、原因を除去することで、ドライマウスが改善する場合があります。
シェーグレン症候群や放射線治療による唾液腺の障害は、原因療法が確立されていません。この場合、対症療法が行われます。
ドライマウスの対症療法としては、保湿剤の使用、唾液分泌促進薬の処方による「水分の補給」です。

1.人工唾液、口腔ケア用品

ドライマウスでは医薬品として、「人工唾液サリベート」があります。
人工唾液に対し、口腔乾燥をやわらげるために口腔ケア用品として、”保湿剤“ “湿潤剤”があげられます。ジェルタイプ、洗口液タイプ、スプレータイプなどがあります。

2.唾液分泌促進薬

唾液分泌促進薬は唾液腺のムスカリン受容体を刺激する薬です。セビメリン塩酸塩水和物、エボザック、ピロカルピン塩酸塩が代表的な薬剤です。
漢方薬のなかでは、麦門冬湯、白虎加人参湯、温経湯、八味地黄丸などがあげられます。

3.保湿装置(ナイトガード)

ナイトガードはもともと歯ぎしり用ですが、夜間口腔乾燥には有効です。ナイトガードの内面に保湿ジェルを塗布して使用します。

4.ドライマウスの口腔粘膜の炎症への対応

ドライマウスの患者さんは、口腔乾燥に伴う痛みを7割の方がお持ちです。
痛みの原因はカンジダ菌が関与している可能性が高いです。
唾液分泌が低下すると、自浄作用や抗菌作用が弱くなり免疫能力が落ち、カンジダ菌が増加します。
口腔乾燥症では、紅斑性(委縮性)カンジダ症が多くを占めます。
口腔カンジダ症には抗真菌薬を用います。
そして、口腔を清潔に保つことで再発を防ぐことができます。

表V-4 日本で入手可能な保湿剤リスト

日本で入手可能な保湿剤リスト

サリベート(人工唾液)
サリベートは、シェーグレン症候群による口腔乾燥症ならびに頭頸部の放射線照射による唾液腺障害に基づく口腔乾燥症の寛解に適応があります。使用方法は、通常1回に1~2秒間口腔内に噴霧し、1日4~5回使用します。

ドライマウスの治療、対処法

 

唾液分泌促進薬

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唾液分泌促進薬

 

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