歯周病と食事
歯周病と関係する栄養素
私たちの生命活動に必要な栄養素は三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)五大栄養素(三大栄養素+ビタミン、ミネラル)です。
歯周病と関係の深い栄養素として、たんぱく質、ビタミンA, ビタミンB1、B2、ビタミンC、ビタミンD、カルシウム、およびリンなどがあげられます。
歯周病と関係の深い栄養素の基礎知識
たんぱく質
身体を構成する細胞質の主成分。
筋肉、爪、皮膚、臓器、血液、免疫抗体、遺伝子などの構成。
たんぱく質は約20種類のアミノ酸からつくられます。
必須アミノ酸は体内で合成できません。
非必須アミノ酸は合成できます。なので、必須アミノ酸をバランスよく含む肉、魚介類などの動物性たんぱく質を、穀類や豆類などの植物性たんぱく質と合わせて摂取すると、効率よく体内に吸収できます。
ビタミンA
ビタミンAの働きは、皮ふや粘膜を健康に保つ、視力の低下を防ぐ、肺、気管支などの呼吸器系統の病気の感染に対しての抵抗力をつける、成長を促進するなどがあります。
薬品、サプリメントなどから摂取すると体内に蓄積しやすいので、飲む量に気をつけましょう。
ビタミンB1
ビタミンB1の働きはごはんやパン、砂糖などの糖質を分解する酵素を助け、エネルギーに変えます。このビタミンが不足すると、糖質のエネルギー代謝が悪くなり、疲れやすい、手足のむくみ、しびれ、動悸などといった症状が出てきます。ビタミンB1は水溶性なので、水に溶けやすく、熱に弱い性質があります。
ビタミンC
ビタミンCの働きには、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高め、カゼや感染症を予防する、ストレスを和らげる、血中コレステロールを下げる、
発ガン物質の生成を抑える、などがあります。
大切な働きとして細胞組織であるコラーゲンの合成にはたらき、血管や皮膚、粘膜、骨を強くする働きがあります。ビタミンCは水溶性で水に溶けやすく、熱、空気、アルカリにより、壊れやすい性質があります。
歯周病になりにくい食事
- 野菜を毎食食べている。特に緑黄色野菜。
- 小魚や海草などを多く食べている。
- 大豆、ゴマなどが多い。
- 甘い物を食べることが少ない。
- 肉、油の多い物はあまり食べない。
- パンよりもご飯を主食にしている。
これらの食事は野菜、小魚、海草、などビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれています。
そして、カロリーも適正で、歯ごたえのある製品が多い為、骨は丈夫になり、顎の成育もよく歯並びもきれいに整います。
このような食事をしている人には、歯周病はほとんどありません。
元気で疲れにくく、風邪もひきにくく、気力も充実しています。
歯周病になりやすい食事
1、全体に少食、ミネラルやビタミンが少なく、砂糖、脂肪が多い食事
主食がパン、おかずは肉類が多く、果物は毎日、お菓子はほぼ毎日食べる、野菜は少ない。
砂糖入りの飲み物を毎日飲む。
この食べ方のパターンは一見、歯肉は腫れもなく色も赤く悪くはないのですが、レントゲンでみると、歯槽骨という歯の周りの骨が溶けて歯周病が進み、口臭が強いのが特徴です。
2、食べすぎや美食傾向、外食が多い
外食が多く、そのため肉、脂肪、たんぱく質、カロリーが過多になり、ビタミン、ミネラル、食物繊維が大幅に不足。
珈琲、炭酸飲料、タバコなどのし好品が多い。
これはビジネスマンに多い食事のパターンです。
歯肉は赤黒く腫れて、歯ぐきからは、膿や出血が見られます。
口臭も強いです。