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親知らずを抜歯したら痛みがとれない!?
最近では、顎が小さくて親知らずが斜めに生えて痛みがでたり、親知らずの清掃が十分にできなくて虫歯になってしまったりして抜歯をする方がたくさんいます。しかし、親知らずを抜いたのに痛みが引かない。痛みが1週間以上も続いている。その原因にドライソケットというものがあります。
今回はドライソケットについて詳しくお話しします。
ドライソケットってなに?
“ドライソケット”という言葉はあまり聞いたことありませんよね。
抜歯後に出来る血の塊のようなものを血餅といいます。ドライソケットとは、この血餅が出来ない状態をいいます。抜歯をされた方はお分かりかもしれませんが、普通抜歯をしたら約3日程度で痛みは治まります。しかしドライソケットの場合強い痛みが数日たっても治まらず、触ると痛みが生じ、冷たいものなどがしみるというような症状がでてきます。
※血餅(けっぺい)とは親知らずなどの治療の後に患部に出来る「血の塊」のようなもののことを指します。
ソケットの原因
抜歯の時に出血が少なかった場合や、抜歯後に繰り返し強いうがいなどを行うことで、骨の上で血液が固まらなかったため(かさぶたできなかったため)骨の表面が出たままになってしまう。その他にも、抜歯したところが気になって故意に舌で触ってしまい血餅がはがれたり、くしゃみなど圧がかかることで血餅がとれてしまうこともあります。
男性より女性のほうがなりやすい
ドライソケットは特に下の親知らずを抜歯した時に約20%の割合で起こるといわれています。
これは、親知らずの抜糸は細菌感染が起こりやすいことや、上の親知らずより下の親知らずの骨が硬いため出血が少ないことなどが関係しているといわれています。
また、ドライソケットは男性よりも女性のリスクが高いといわれています。理由としては、女性特有のホルモンが関係しているようです。
骨が露出している
痛みの原因は血餅によって覆い隠されているはずの骨が露出しているためです。
症状としては、
- 触ると激痛がする
- こめかみあたりまで痛みがある
- 抜歯後数日たっても痛みが引かない
- 口を開けるのも困難
などの症状があります。
また、抜歯した後の穴の中をみてみると骨が露出しているため白く見えます。
ドライソケットになってしまったらどうしたらよいのでしょうか
自宅でできることは、痛み止めを服用し安静にすることです。
そしてなにより、歯医者さんへ連絡し、患部を診察してもらい適切な処置をしてもらいましょう。
親知らずを抜いたらなぜ腫れる?
よく「親知らずを抜いたら腫れた。」という話や、親知らずを抜いて顔が腫れた人を見たことはありませんか?
なぜ親知らずを抜いたら腫れてしまうのでしょうか?
まず親知らずを抜いたら必ず腫れる訳ではないのです。親知らずの状態と生え方によって変わってきます。親知らずが歯茎に埋まっていて見えない場合は、歯茎を切って顎の骨に埋まっている親知らずを抜かなければいけません。歯を抜く際に、骨を削って修正してから歯を取り出します。このような場合、抜いた後に腫れやすくなります。
親知らずが普通の歯と同じように生えている場合はあまり腫れることはありません。虫歯で歯が欠けてしまったり割れた場合は、埋まっている時と同じように抜くこともあります。
下の親知らずは、上に比べると骨が硬くしっかりしているので抜きにくいです。
そして歯茎に埋まっていたり、半分しか頭が出ていないことが多くさらに骨の中に埋まっていることがあります。なので骨を修正して削ってから、抜かなければいけない場合もあります。上の親知らずは下に比べると腫れにくいですが、奥のほうにあったり骨に隠れて頭を出していない場合に抜いた時に腫れることがあります。
一般的に骨を削って抜いた場合に腫れが大きくなります。
骨を削るので炎症反応が強くでます。細菌の進入を防御し、抜歯によって破壊された組織を修復する為に起こる反応が炎症といい、それが腫れとなって現れるのです。
では、どのような親知らずが抜いた方が良いとされるのでしょうか?
まっすぐに生えていてきちんと上下噛み合っている親知らずは抜く必要はありません。歯茎の中に潜っていて正常に生えてくる可能性がある親知らずも抜く必要はありません。
親知らずの頭が少し出ている場合は汚れも溜まりやすいので炎症も起こしやすくなっています。これが「智歯周囲炎」です。
さらに親知らずは奥の方にあり、ブラッシングが難しい為に虫歯になりやすいです。
そのまま放っておくと隣の歯まで虫歯になってしまう可能性もあります。正常に生えていても噛み合わせる歯が無いと歯がどんどん伸び出してしまいます。その為、歯茎を傷つけてしまったり、顎の関節に負担をかけてしまう場合もあります。
親知らずが周辺の歯や歯茎に悪影響を与える時には抜歯を考えた方が良いでしょう。
親知らずを抜いた後、2~3日は腫れのピークになります。しかし処方された内服薬と痛み止めを服用しますので日が経つごとに徐々に落ち着いてくるでしょう。
気になる方は、一度歯科医に相談してみて下さい。
歯のそれぞれの役割について
お口の中には親知らずを除いて上下28本の歯が存在しています。
みんなそれぞれ形が違いますね。
形が違うという事はそれぞれの役割も違ってきます。
食事をする時の働きや動きも変わってくるのです。
それぞれの役割について考えてみましょう。
まず、上下にある4本の前歯につ いて。
口元の中心にありますから見た目の審美性が大きいです。他には発音する時にも大きな役割を果たして います。もし前歯が抜けてしまったら空気が抜けてしまうので発音がしにくくなったりします。
食事をする際 の前歯の役割は、物を噛み切る事です。
硬いお肉を食べる時にちょうど良い大きさにする最初の仕事を行うのがこの前歯です。
もし前歯がなかったら、常に奥歯が使われる事になってしまい、奥歯の負担が大きくなって しまいます。奥歯が磨り減ってしまい磨耗してしまう原因にも繋がってしまいます。
前歯の後ろにある 尖った歯、犬歯は前歯と奥歯を繋ぐ役割をしています。
前歯と同様に審美性にも関わってきます。
犬歯は歯の中では一番強い構造になっています。
歯ぎしりなどにも負けない強い構造をしているので前歯や奥歯にかかる負担を軽減します。そのことから、前歯と犬歯を守る役割も果たしています。
すべての歯の中で一番長持ちするのは、根っこも一番長い事か ら犬歯とも言われています。
その後ろにある小臼歯は食べ物を引き裂く役割を持っています。
さらに、 小臼歯と犬歯は噛み合わせの位置と、顎の動きを正常に行う為の大切な役割を担っています。ですから、もし1本で も失うと噛み合わせと顎の動きに大きなダメージを与える事になってしまうのです。
一番奥の歯、大臼歯について。
食事をする時に、前歯で噛み切った食べ物をすり潰したり、細かくする役割は大臼歯が行っています。他には噛み 合わせを安定させる役割も担っています。
食べ物を食べる時に大変重要な働きをする歯ですので、もし失って しまうと他の歯に大きな負担がかかってしまいます。食物を細かくして食べる事ができないと消化器官に負担をかけ てしまったり、噛み合わせるはずの歯が無くなってしまい、噛み合わせの歯が伸びてきたり、抜けてしまった歯の隣 の歯が傾いてきてしまったりと影響は様々です。
大臼歯は奥の歯2本の事をいいますが手前の大臼歯は第一大臼歯と呼ばれ、生えてくるのは6歳前後です。
この歯は幼児期に生えてくるために、手入れが十分にできない 事が多く一番虫歯になりやすい歯でもあります。
食べ物を食べる時に大切な役割をするので長く大切に使える ように小さな時から積極的にケアして いく必要があります。
すべての歯にはそれぞれ役割があって大切な働きをしています。
どれか1本くらい無くなっても大丈 夫などという事はありません。
毎日使う歯なのですから、歯を抜く事がないようにしていく事が大切になりま すね。虫歯や歯周病にならないように今日から意識を変えていきましょう!
抜く?抜かない?親知らず!
親知らず(智歯)は、思春期後半から二十歳を過ぎたぐらいから生え始める事が多いと言われています。
最近では、物を食べる時によく噛むことが少なくなってきたためか顎の小さい人が増えてきています。
そのため、親知らずが生えてくるスペースが確保できないので生えてこないまま骨の中に埋まってしまったり、斜めに生えてきてしまったりしてしまいます。
親知らずについてWikipediaより→
また親知らずは一番奥の歯なので歯ブラシが届きにくく、特に斜めに生えてしまった歯は虫歯にもなりやすい歯となります。
親知らずが虫歯になってしまうと、一番奥の歯ということもあり、虫歯の治療をする際、器具が届かないなどの理由で抜歯をしなければいけなくなることがあります。
少し磨きにくいかもしれませんが、鏡などを見ながらタフトブラシなどを併用し、細かく磨いてあげましょう。
親知らずの病気
親知らずには、虫歯以外にも智歯周囲炎という病気があります。
智歯周囲炎とは、親知らずが生えてくるときに、完全に生えてこなかったり、斜めに生えてしまったために、食べかすなどが親知らずの周りの歯ぐきや隣の歯との間に入り込み不潔な状態になることで起こります。
症状としては、歯ぐきの周りが赤く腫れ、噛んだり物があたったりすると痛みがあり膿がでてきたりします。
その他にも、口が開きにくくなったり、つばなどを飲み込んだ時にのどに痛みを感じることもあります。
さらに症状が進むとほとんど口が開かなくなり、頬や顎の下まで腫れてきたりします。
このような症状が出てきて適切な処置をしない場合、骨膜炎や蜂窩織炎を発症することがあります。
治療の方法としては、歯ぐきの周りをよく洗浄し、清潔にした後抗菌薬を投与します。
膿がたまっている場合は切開することもあります。
症状がなくなった後、原因となった歯を抜歯します。
《ティースバンク》
親知らずが健康な場合でも抜歯を希望される方も多いと思います。
その“健康な歯”そのまま捨ててしまうにはもったいないですよね?
そこで、【ティースバンク】歯の銀行に預けるという方法があります。
ティースバンクとは、健康な歯を冷凍保存しておくというシステムです。
冷凍保存した歯は将来、事故で歯を失ってしまったり、重度の虫歯になって歯を抜かなければならない時などに解凍して再利用することができます。
例えば入れ歯やインプラントの代わりに抜けたところに移植することができます。
冷凍保存が可能な歯は、移植しても生着が可能である健康な歯に限ります。
このように、親知らずには良い面も、悪い面もありますが、親知らずが生えてきている方はぜひ自分の親知らずはまっすぐ生えてきているか、斜めに生えているかなど観察してみてください。