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口呼吸にひそむ危険
わたしたちは本来、鼻で息を吸って鼻から息を吐いています。しかし、鼻からではなく口から息を吸って口から息を吐く人が増えています。それを口呼吸といいます。
鼻の粘膜には繊毛(せんもう)と呼ばれる細かい毛がたくさん生えていて、ほこり、ウィルス、細菌等の異物が体内に侵入してくるのを防ぐ役目をしています。ところが、口で呼吸をすると、ウィルスや細菌などを含んだ冷たく乾燥した空気を直接体内へ取り込むことになり、のどの乾燥や、ウィルスや細菌によってかかる病気のリスクが高まります。
口呼吸によるお口の中への悪影響についてあげてみましょう。
唾液にはお口の中を清潔に保ち、虫歯を予防する働きがあります。そのため口呼吸が続くと、唾液の量が減り唾液の自浄作用が低下し、虫歯や歯周病へのリスクが高くなります。そして口臭の原因にもなります。
また、鼻呼吸で口を閉じている時には舌の先が上顎に軽く触れますが、口呼吸は呼吸しやすいように無意識に舌の位置を動かすことで、常に口を開けてしまうので舌の位置が下がってしまうことが多いです。そのため歯が舌に押されることにより、顎の成長に支障をきたし、歯並びの乱れを引き起こします。
他にも発音がはっきりしなくなったり、口を開きながらくちゃくちゃと音を立てて食事をするようになったりもします。
口呼吸になってしまう原因はさまざまですが、次のようなものが考えられます。
- アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで鼻がよくつまる。
- 鼻腔をしきる鼻中隔が曲がっているなど、鼻の構造に問題がある。
- アデノイドといわれる鼻の奥の扁桃腺が大きい。
- 歯並びが悪い。出っ歯で口が閉じにくい。
- 口の周りの筋肉が弱い。
以上の特徴がない人でも、幼児期に口呼吸の癖がついてしまうと、そのままになってしまうことが多いです。また日本人は口呼吸の割合が高いです。欧米に比べて離乳時期が早いためと言われています。鼻呼吸が定着する前に口呼吸を覚えてしまうからです。そうならないためにも、欧米のように3~4歳までおしゃぶりを使うと効果的です。
鼻やのどの病気が原因であれば耳鼻咽喉科へ、歯並びが問題なら矯正歯科で治療を受けましょう。治療を受けることで、口呼吸の改善が望めます。鼻呼吸を意識して行うことで改善する軽い症状の場合もありますが、無理して鼻呼吸へ変えようとすると酸素欠乏になり、頭痛や筋肉痛などの症状が出ることもあります。医療機関を受診して相談するのが安全でしょう。
歯並びが悪い原因は?
並びがよくないと見かけもよくないですし、気になりますよね 。
その他にも、歯並びが悪いと発音が悪くなってしまったり、歯の大切な機能である “噛む”という機能を充分 に活用することができません。
また、歯並びが悪い為に、ブラッシングをしても、歯ブラシの毛先が行き届かなかったり して、磨き残しができて虫歯、歯肉炎、歯周病になりやすくなってしまいます。
では、歯並びが悪くなる原因は何なのでしょうか?
1、遺伝的なもの
顔や、体型が親に似てくるのと同様で、顎の大きさや形も遺伝によってある程 度決まってきます。
2、いろいろな癖
指しゃぶり、頬づえをつくなど悪い習慣を続けることで、顎の骨が変形してし まい、歯並びが悪くなることがあります。
その他にも、舌を突き出す癖や、噛み癖なども原因となります。
また、口呼吸も歯並びを悪くしたり、顔の発育に影響をあたえられていると考えられてい ます。
3、虫歯
永久歯が生えてくる時、乳歯は永久歯の生えてくる場所を確保する役割があり ます。
そのため、乳歯が虫歯になってしまっていて、そのまま放置して形が変わってしまったり 、抜歯をした場所をそのままにしておくと、永久歯が正しい位置に生えずに、歯並びや噛 み合わせが悪くなることがあります。
また、大人になってからの抜歯も同様で、抜いたまま隙間を放置してしまうと、歯が動い たり、親知らずに押されたりして、歯並びやかみ合わせが悪くなることがあります。
4、食べ方
子供時代に、よく噛まなくても食べられる軟らかい食べ物ばかり食べていると 、顎の成長期に顎が十分に発達できないので、小さくなってしまいます。
その結果、小さい顎に大きな歯が生えてくるわけですから、歯がきれいに並ぶ為の十分な スペースが確保できず、前後にデコボコとした歯並びになってしまいます。
5、口呼吸
鼻炎や扁桃腺肥大などの症状があり口呼吸を続けると、唇で歯を押さえる力が 弱くなり、口の筋肉のバランスが崩れて出っ歯や受け口の原因となったり、位置が異なっ たりします。
このように、歯並びが悪くなる原因には、いろいろありますが、癖や食べ方は気をつけれ ば改善できますし、虫歯もきちんとしたブラッシングができれば予防できます。
自分でできることから少しずつ始めていきましょう!
口呼吸について
呼吸は通常は鼻で行われますが、花粉症など鼻詰まりが続くと口で呼吸することになります。
また、低位舌、鼻疾患などでも口呼吸になりやすく最近、歯列不正の原因とも言われています。
空気を吸ったり吐いたりするのが、鼻からか、口からか意識していますか?最近は口で呼吸する人が多くなりました。
口呼吸は、さまざまな病気をもたらします。代表例としては、歯周病、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、花粉症などのアレルギー性疾患です。
歯周病は歯周病菌の毒素により、周りの骨が溶け、最終的には歯が抜けてしまう病気です。歯周病はサイレント・ディジーズ(静かなる病気症)とも言われ、症状がないままに病状が進行する病気です。痛みや歯の揺れに気が付く時には重症になっていることが多いです。
初期の症状に気づき適切な治療を行えば進行を抑えられる病気です。歯茎からの出血や腫れを放置せずすぐに治療を開始し、生涯自分の歯でおいしいものを食べられるようにしたいものです。最近口呼吸が話題になっています。歯周病と深い関係があり、注目されています。
なぜ口呼吸は歯周病が進行してしまうのでしょうか?
歯茎は本来は薄いピンク色ですが、歯周病の原因である細菌が歯茎の周りに残っていると、歯茎が赤く腫れます。歯茎の表面では歯周病菌が組織中に侵入しないようにリンパ球、白血球などの免疫細胞が集まり、歯周病菌と戦っています。それによって歯茎が赤く腫れてしまうのです。
この歯周病菌を唾液の自浄作用により、洗い流して歯茎を歯周病から守っていることも免疫作用をあげているポイントなのです。
口呼吸により、唾液が乾燥して歯周病により炎症が起こっている歯茎の部分に唾液の自浄作用もなく、またリンパ球、白血球が炎症部位に到達することが難しく、歯周炎を進行させてしまう要因といえます。したがって、口呼吸はドライマウスと密接な関係があるともいえます。
口呼吸をしていると、唇が乾燥して荒れてきます。前歯の歯肉も乾燥してプラークがこびりついて、虫歯、歯周炎、口腔乾燥症、口臭をひきおこします。
また、顎の成長や歯並びに悪影響をあたえ、不正咬合になるので改善が必要でしょう。
口呼吸check の方法
*お口を閉じて、鼻で呼吸ができるか3分計で確認します。
*鼻の下に薄いティッシュを細長く切り裂いて、付ける部分にちょっとだけ水で濡らし、貼り付けます。
口呼吸をしていれば口の前のティッシュが呼吸に合わせて口の中に入ろうと内側に動きます。
- 無意識のうちに口が半開きになる。
- 前歯が出ている。
- 下あごがでている。
- 食事時、クチャクチャと音を立てる。
- 唇が乾燥しがち。
- 朝起きた時、のどが痛い。
- 唇を閉じると、あごの先にシワがよって梅干し状になる。
- 早食いである。
- 「片噛みグセ」がある。
3つ以上あれば口呼吸 の可能性が高いです。
鼻の役割は大事
なぜ口呼吸が問題なのでしょう?
口で呼吸しても鼻で呼吸しても同じように思われますが、鼻は免疫に大きく関与しています。
1.空気清浄器の役割。
鼻毛や奥くにある繊毛(せんもう)は、埃や雑菌やウィルスや花粉などをシャットアウトします。
2.加湿器、加温器の役目
粘膜で雑菌、ウィルスを浄化し、また乾いた空気、冷たい空気が直接肺に入らないようにします。感染を予防し、呼吸をしやすいように気管の乾燥をふせいでいます。
ノドがヒリヒリしてくるのは口呼吸の可能性があります。かぜもひきやすいです。
3.匂い感知器
食事の時の味覚にも関係し、また、煙など火事など危険を察知します。
口呼吸の対策と改善
1.乳児の場合
鼻呼吸促進用おしゃぶり(8ヶ月位から)ピジョン社で売られている「鼻呼吸促進用おしゃぶり(8ヶ月位から)」などがありますが、長期間使用することでの害も報告されています、注意して使用しましょう。
詳しくは「日本小児歯科学会・おしゃぶりについての考え方」のホームページをご覧ください。
http://www.jspd.or.jp/public/about_pediatrics_04.htm
「鼻呼吸促進用おしゃぶり」はくちびるを自然に閉じて、鼻で呼吸する習慣を身につけるグッズです。
生後4~5ヵ月の赤ちゃんは、母乳を飲む時に鼻呼吸をしています。
生後5ヵ月以降は、離乳食や声を出すことが始まり、口呼吸に変わってしまうケースがあります。
この装置を使い続けると口を閉じる習慣がつき、鼻呼吸への改善が可能です。
日本小児科学会や日本小児歯科学会などの意見では、なるべく2歳半までに「おしゃぶり」の使用を中止するようにと報告しています。
ピジョン(株)のホームページ 育児、マタニティー、介護用品等を製造、販売 http://www.pigeon.co.jp/
2.大人、子供の場合
治そうという意思が大切。
本人の頭で理解させ、徐々に改善に向けるのが一番よいでしょう。
口元を閉じることから始めて行きますが、口が開いてしまっていることも分からなくなってしまっている場合は、4センチ四方の薄い紙を唇だけで挟ませて、MFT(口腔筋機能療法)を行います。
紙を落とさないように唇を閉じて30分ほど鼻呼吸をしましょう。
正しい姿勢で深呼吸をしましょう。猫背は口呼吸になりやすいです。
カレンダーに、何回チェックが出来て、直っていくかをカウントして行くのも形として見える評価で励みになります、ご家族でやってみてください。
製品としては以下の様なものがあります。
パタカラ やオーラルスクリーン、は唇と歯の列の間に入れて使う効果的な道具です。歯科医院などで入手可能です。
* 癖がなかなか治らない時は、寝る時などに、紙のキズ絆創膏を、唇に2本縦に貼ってみましょう。
片方だけの鼻の詰まりならば、試しても問題は無いと思われます(決して強いテープは貼ってはいけません、唇が荒れている時は特に注意してください)。