私たちのクリニックの特徴の一つに、カウセリング、一人の診療時間が長い(人によりますが、1~2時間)ことがあげられます。なので、一日に診療できる患者さんの人数は、他の医院の半分の数に限られてしまいます。
なぜかといえば、患者さんの一番気になる事(主訴)と、ドクターから見た患者さんのお口の状態で気になる事が違う場合、本当の治療のすり合わせが必要になるからです。
先日、記録を更新してしまいました。
2時間半。
患者さまは紹介の方でした。同じ歯を今年に入り、2件でクラウンを被せる治療してもらいましたが、舌がその歯に触って痛いとの主訴でうちが3件目になり、セカンドオピニオンならぬ、サードオピニオンになりました。
他のドクターも丁寧な治療をされているようです。では、本当にその歯が原因なのでしょうか?
生活習慣も含めての問診、舌診を行い、地図状舌であること、口腔乾燥症の疑いがあるとわかってきました。口呼吸もあります。
この場合は、歯にすぐ手を付けずに位相差顕微鏡による細菌検査を行います。カンジダ菌があると
地図状舌は舌に細かい溝がありますが、そこに繁殖しますので、痛みを感じやすいのです。これは、歯周内科治療の分野になります。
それで、舌が歯にさわって痛いだけではなく、そこには様々な舌の痛みの原因をカウセリング、検査から、消去法で割り出すのに時間がかかったというわけです。
後日談ですが、患者さんは上の歯にさわって舌が痛いと言われていました。
後に細かく診査してみると、下の歯が抜けている場所に舌がさわって擦り傷になっておりました。この説明と理解が患者さんに備わって、初めて歯の治療ができます。