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誤飲事故が発生したら、まずは水で口をすすいでから”何を”どのくらい”飲んだが、冷静になって観察しましょう。その確認ができたら、次に適切な処置をすること。どうすればよいのかわからない場合は、中毒110番に問い合わせを。緊急を要する状態は、救急車を手配しましょう。
誤飲を見つけたときの様子は、緊急度の目安になります。ぐったりしていたら、迷うことなく救急車を呼びますが、ケロッとしていたら、あるいはママの声に驚いて泣き出しただけなら、まずは適切な処置をして、様子をよく観察すること。機嫌がよさそうでも、楽観的に考えてはいけません。中毒症状は数時間後に出るので、危険なものや心配な場合は受診しましょう。
なお、夜間で緊急性がなさそうなら翌朝まで待ってもかまいませんが、夜中に何度か、様子をチェックしましょう。
まず確認することは、何をどのくらい飲んだかです。たとえば、洗剤には酸性、弱酸性、アルカリ性、弱アルカリ性、中性があり、効き目が違います。酸性やアルカリ性のものは洗浄力が強い分、毒性も強く、危険度は高くなります。
最近は中性のものが増えていますが、必ず確認しましょう。
毒性の強いものの多くは、少量でも中毒が心配されますが、量が問題になるものもあります。また、量にかかわらず中毒の心配のないもの、多くなければ様子を見るものもあります。飲んだ畳がわからない場合は、子どもの様子で判断しましょう。
中毒を起こす危険の高いものは、少量でも吐き出させるのが基本です。毒性がほとんどないものや、なめた程度の場合は、吐かせる必要はありません。多量に飲んだ場合は吐かせますが、2~3回試してみて吐かなければ、それ以上は無理をしないで受診しましょう。
なお、次のような場合は、飲んだ量にかかわらず吐かせてはいけません。
意識がはっきりしていない場合・・・気管に入ったり、窒息を起こしたりする危険があります。
ベンジンやシンナー、灯油などの石油製品・・・気管に入りやすく、肺に入ると出血性肺炎を起こす危険があります。
洗浄剤、漂白剤、カビ取り剤などの強酸性・強アルカリ性のもの・・・吐いたものが逆流すると、のどや食道の粘膜を二重にいためる危険があります。
誤飲直後に水や牛乳を飲ませるのは、飲んだものを吐きやすくしたり、のどや食道の粘膜や胃壁を保護したりするためです。量はコップ1杯程度で十分です。
ほとんどの場合は飲ませてよいのですが、脂肪に溶けやすい防虫剤などは、吸収を速める危険があるので、牛乳を飲ませてはいけません。また、何も飲ませてはいけない場合もあります。何を飲ませるべきか、飲ませてはいけないかは、処置する前に必ず確認しましょう。
「赤ちゃんと子どもの病気事典」より引用